ちょっと車に転用しにくかったかもしれませんね。
具体的な計算をしていきましょう。
車輌重量が1200kg
ホイールベース2240mm
重量配分を53:47
重心高さを500mm
減速G:1.0G
以上の条件により1.0Gを受けた1200kgの車は1200kgの減速力を得た事になります。
1.0Gの減速中の前後の重量配分は904kg:296kgとなります。
押し付ける力が判ると前後左右のタイヤの発生する力が算出できます(前述)。
今回は前のタイヤ2つで904kgと後ろのタイヤ2つで296kgとなります。
試しに計算しましょう。904+296=1200となり、最初に求めた減速力と同一になりますね。
フロントタイヤ1個のことを考えると、904kgの半分ですから、452kgです。
上の図の青い矢印が452kgです。タイヤは止まろうとしているのに、路面がタイヤを動かそうする力という言い方ができます。
タイヤは中心で回る物ですから、モーメントと言う、腕の長さと腕の先端にかかる重量の相関関係の概念で解析すると、タイヤの中心にはタイヤ半径315mmで、その先で452kgが発生する回転力となります。
タイヤを回そうと無理矢理動く路面と同じ関係なのが、ローターとバッドです。
ローターとバッドが、315mmと452kgの抵抗力を発生できれば、1.0Gで制動する上記条件車輌のフロントブレーキシステムに相応しいと言えるわけです。
リアも同一ですので315mmで148kgです。
前述した様に前後バランス良くブレーキをさせなければなりません。
ここでは限界Gを1.0Gとしてますので、これより、フロントのブレーキを強くするとフロントブレーキがロックし制動力が低下して減速Gが下がり、必要とされるブレーキ力が低下します。ですから、ブレーキは強化することは出来無いです。ブレーキのチューニングとはバランスの最適化なのです。
バランスを変えてしまう要素は、重量と重心高さ、ホイールベース、重量配分なのです。車高を低めたとか、軽量化したとか、チューニングして前後配分や重量が変わってしまえば標準車の設定は使えません。スピードは直接的には関係ありませんが、300km/hからだと、キャリパーが力を伝えられない事もあります。
上記、計算はキャリパーの性能が十分でタイヤが常時1.0Gを発生できるものとして計算してあります。
では、上記結果を導ける内容を造っていきましょう。
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